全国的に年間数十店舗ペースで急拡大を続けるバーガーキングにおいて、福岡県内の店舗数が「人口規模に対して少ない」と感じられるのには、過去の歴史的経緯と飲食業界特有の構造的制約が存在します。
最大の転換点となったのは、2019年5月に発生した全国規模の大量閉店劇です。当時、日本市場の運営権移行に伴う不採算店舗の整理が進められ、九州エリアを含む地方都市から一時的に全面撤退に近い形での縮小が行われました。流通関係者の証言によると、「原材料を冷却管理しながら配送するチルド物流網の採算ラインが、首都圏以外のエリアで一時的に成立しなくなったこと」が主因とされています。
さらに、バーガーキング特有の店舗設備基準の厳格さが出店ハードルを押し上げています。同店の代名詞である「直火焼き(フレイムグリル)」を実現するためには、専用の大型ガスブロイラーと強力な排煙・換気ダクト設備が不可欠です。居抜き物件をそのまま流用しやすい一般的なファストフードチェーンと異なり、都心部の雑居ビルや一般的なテナントでは排煙設備工事の認可やコストが障壁となります。
現在進められている出店戦略は、無計画な乱立を避け、十分な排煙設備を確保できる大型SCや新築ロードサイド店舗に絞り込み、サプライチェーンの配送効率が合致した地点から着実に出店していく堅実な手法が採られています。