思春期ニキビの発生において、最も根本的な引き金となるのが二次性徴に伴うホルモンバランスの激変です。中学生や高校生を迎えると、男女問わず体内ではアンドロゲン(男性ホルモン)の分泌が急激に活発化します。このホルモンが皮脂腺を強力に刺激し、通常の数倍におよぶ皮脂過剰分泌を引き起こすのです。
毛穴の出口が未熟で狭い10代の肌では、過剰に分泌された皮脂がスムーズに排出されず、毛穴内部に滞留します。そこに皮脂を好む常在菌である「アクネ菌」が過剰増殖し、遊離脂肪酸を生み出して組織を刺激。白ニキビから一気に赤く腫れ上がる炎症性ニキビへと悪化していきます。
しかし、取材に応じた皮膚科専門医が口を揃えて指摘するのは、ホルモン分泌以上に「良かれと思って行っている間違ったスキンケア」が急激な悪化を招いているという皮肉な現実です。代表的なNG行動が、1日に何度もスクラブ入り洗顔料でゴシゴシ顔を洗う「過剰洗顔」です。皮脂を根こそぎ奪われた肌は、自衛本能としてかえって皮脂分泌を加速させ、摩擦による微小な傷からアクネ菌が侵入し、毛穴周辺組織の炎症が劇的に進行してしまいます。