命を脅かすケトアシドーシスとは?初期症状と原因・対処法を解説

命を脅かすケトアシドーシスとは?初期症状と原因・対処法を解説

命を脅かすケトアシドーシスとは?初期症状と原因・対処法を解説についての疑問解決ガイドをご紹介します。

私たちの体内は通常、血液の水素イオン指数(pH)が「7.35〜7.45」というごく狭い弱アルカリ性の範囲で精密に保たれています。ところが、何らかの理由で酸性の代謝産物が血液中に大量蓄積し、この平衡が破れて酸性へと傾く状態を「アシドーシス」と呼び、その中でもケトン体の過剰産生が原因となる病態をケトアシドーシスと定義します。

最大の発症要因はインスリン不足のメカニズムにあります。すい臓から分泌されるインスリンが枯渇、あるいは著しく作用しなくなると、細胞は主たるエネルギー源であるブドウ糖(グルコース)を血液中から取り込めなくなります。すると身体は餓死状態と誤認し、危機を回避しようと肝臓で脂肪を急速に分解して「ケトン体(アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトン)」を代替エネルギーとして大量に合成し始めます。

ケトン体そのものは酸性の物質です。血中濃度が処理能力を超えて跳ね上がると血液の酸性化が進み、脳や心臓をはじめとする重要臓器の機能が麻痺します。これがケトアシドーシスに伴う死亡リスクと予後に直結する理由であり、迅速な集中治療を行わなければ数日から数時間で死に至る救急疾患です。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。