金剛阿含というフットボーラーを語る上で、最大のアイデンティティとなるのが「神速のインパルス」と呼ばれる異常な神経伝達速度です。作中において阿含の反応時間は0.11秒と計測されており、これは生体反応として人類の限界値に極めて近い数値として描かれています。
通常のアスリートであれば、「相手の動きを目で認識→脳で判断→筋肉へ伝達→動作の開始」というプロセスに0.2秒前後のタイムラグが生じます。しかし阿含の場合、相手がフェイントやカットを切った瞬間に筋肉が超高速で反応するため、相手の動きを「見てから動いて確実に迎撃・回避する」という、物理法則を無視したかのようなプレーが可能になります。
さらに恐るべきは、その肉体スペックとセンスの異常な調和です。阿含はあらゆるアメフトの技術を一目見ただけで完全にコピーし、自分の技として即座に実戦投入できます。クォーターバック(QB)としての精密なパス、ランニングバック(RB)としての暴力的な突破力、ワイドレシーバー(WR)やタイトエンド(TE)としてのキャッチ力、ディフェンスバック(DB)やラインバッカー(LB)としての必殺のタックルまで、すべてのポジションで全国トップの性能を発揮する究極のユーティリティプレイヤーでした。
関東大会9連覇を誇る王者・神龍寺ナーガにおいて、一切の練習をサボり、暴飲暴食と女遊びを繰り返しながらも不動のエースに君臨し続けた背景には、この「努力の概念を無力化する天賦の才」が存在していたのです。