一織の行動原理の根底には、常に二人の重要人物が存在します。実兄である和泉三月と、センターの七瀬陸です。
兄・三月との関係は、一見すると「優秀な弟と、苦労人の兄」という逆転した力関係に見えます。しかし実際は、幼少期から何でもそつなくこなせた一織にとって、小柄な身体で何度オーディションに落ちても夢を諦めなかった兄・三月こそが人生最初の「憧れのヒーロー」でした。一織がアイドル界に足を踏み入れた真の動機も、「三月の夢を叶える舞台を整えるため」という深い献身に基づいています。互いにコンプレックスと敬愛を抱き合う和泉兄弟の絆は、多くの読者の涙を誘ってきました。
一方、七瀬陸とのユニット「Fly away!(通称:フラウェ)」で見せる関係性は、よりスリリングで劇的です。一織は陸の持つ天性の歌唱力と、無自覚に大衆を惹きつける圧倒的なカリスマ性を「訴求力という名の怪物」と危険視しながらも、その才能に誰よりも魅せられています。
「オレがあなたを、スーパースターにしてみせます」
この誓いとともに、制御不能な陸の手綱を握り、トップアイドルへと押し上げることを己の使命に定めた一織。計算し尽くされた知性と暴走する感情のぶつかり合いは、IDOLiSH7という物語を推進する最大のエンジンとなっています。