毎月29日にも「肉の日」の販促は行われますが、2月9日だけが「年に一度の肉の日」として別格の扱いを受ける背景には、暦の語呂合わせ以上の商業的力学が存在します。もともと肉の日は、1987年に全国食肉事業協同組合連合会(全肉連)などが食肉の消費拡大を目的に制定した記念日です。通常月は「29日」がその対象となりますが、平年で28日しかない2月においては、数字の「2(に)」と「9(く)」が揃う2月9日こそが唯一無二のメモリアルデーとして定着しました。
外食産業のマーケティング視点から分析すると、2月は正月商戦が一段落した直後であり、寒さも手伝って消費行動が最も冷え込む「ニッパチ(2月・8月の売上低迷期)」の渦中にあります。飲食チェーン各社にとって、客足が落ち込む2月上旬に強力な集客フックを作ることは、第4四半期の業績を左右する至上命題です。そのため、利益率を極限まで削った半額メニューやインパクト重視の大盤振る舞いをぶつけることで、話題性の喚起と来店動機の創出を同時に狙うという明確な経済合理性が働いています。