「写真映えのする有名な藤は見たいが、数時間の渋滞や身動きの取れない人混みは耐えられない」という旅行者や地元住民に支持されているのが、県内の知られざる名所や都心のオープンスペースです。
天神・博多から地下鉄で直行できる「舞鶴公園」
福岡市中央区の「舞鶴公園」は、春の桜スポットとして全国的に有名ですが、実は4月中旬を過ぎると福岡城跡の石垣を背景に見事な藤が咲き誇る絶好の穴場となります。特に牡丹・芍薬園の近くにある藤棚では、淡い紫色の花房が青空と石垣に映え、心地よい春風とともに豊かな香りを漂わせます。
地下鉄空港線の赤坂駅または大濠公園駅から徒歩数分という抜群の立地にあり、車の渋滞や予約のプレッシャーとは無縁です。天神エリアでのショッピングや大濠公園のカフェ巡りとシームレスに組み合わせられる点も、都市型観光ならではの強みです。
千三百年の歴史が薫る筑紫野市「武蔵寺の長者の藤」
静寂の中で歴史の重みを感じたい方には、天拝山の麓に佇む九州最古の仏教寺院・武蔵寺(ぶぞうじ)境内にある「長者の藤」をおすすめします。藤原鎌足の血を引く藤原虎麿が建立したと伝えられる古刹で、境内の藤棚は樹齢1,300年余りの歴史を誇ります。
根回り数メートルにも及ぶねじれた古木の幹から無数のツルが力強く伸び、紫の花を咲かせる姿は、商業化された観光農園とは一線を画す厳かな気品に満ちています。二日市温泉街にも近いため、鑑賞後に歴史ある名湯で立ち寄り湯を楽しむ大人の休日プランとして最適です。
幻想的な夜を彩る「福岡藤の花ライトアップ」の魅力
昼間の日差しを浴びる藤も美しいですが、夕暮れから夜にかけてのライトアップは息を呑むほどドラマチックです。特に柳川市の「中山大藤まつり」期間中に実施される夜間照明は必見です。神社の境内に架かる石橋(めがね橋)越しに浮かび上がる大藤が、堀の水面に鏡のように反射する光景は、水郷・柳川ならではの情緒を極限まで高めてくれます。