セルフ長さ出しを行う上で、絶対に看過してはならないのが爪の衛生トラブルです。ネット上では「100均のジェルを使うとカビが生える」といった真偽不明の噂が散見されますが、これは医学的に明確な誤りです。
爪が緑色に変色する「グリーンネイル」の原因は、カビ(真菌)ではなく緑膿菌(りょくのうちょうきん)という常在細菌の繁殖によるものです。緑膿菌は湿った密閉空間を好む性質があります。長さ出しで作った人工爪が根元からわずかに浮いた(リフトした)状態を「まだついているから」と放置し、手洗いや入浴を繰り返すことで、自爪とジェルの隙間に水分が溜まり菌が急激に増殖します。決してジェルの価格や産地が原因ではなく、「浮いているのに放置したこと」が直接の引き金です。
日本ネイリスト協会の衛生ガイドラインでも指摘されている通り、人工爪にわずかでも浮きや引っかかりを感じた場合は、無理に接着剤(グルー)を流し込んでごまかすのではなく、直ちにすべてオフして自爪を乾燥・殺菌することが鉄則です。少しでも変色が見られた場合は、完全に爪が伸びきるまで新たな施術を控え、皮膚科専門医の診察を受ける勇気を持つことが、長くネイルを楽しむための最低条件です。