はなふさ皮膚科の急成長を語る上で欠かせないのが、医療法人社団清優会の理事長を務める花房火月(はなふさ ひづき)医師のキャリアです。東京大学医学部医学科を卒業後、東大病院皮膚科、癌研究会有明病院、社会保険中央総合病院などで高度な皮膚外科手術の臨床経験を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の資格を有しています。
医学的エビデンスを重んじる堅実なバックグラウンドを持ちながら、いち早くYouTubeなどのデジタルメディアで症例動画を公開し、これまでタブー視されがちだった「美容外科・皮膚科の生々しい手術風景やリアルな治療限界」を包み隠さず発信したことが、カリスマ的な支持を集める原動力となりました。
しかし、クリニックが三鷹本院からスタートし、志木、大宮、新座、国分寺、久我山、さらには新宿、池袋、銀座、渋谷、京都、なんばへと急速な分院展開を進めた結果、「医療サービスの均質化」という巨大な壁に直面しています。
患者がメディアを通じて抱くイメージは「花房火月理事長本人の神業的な手技」です。しかし現実には、各地の分院で実際にメスを握り、レーザーを照射するのは、採用された各院の院長や勤務医です。もちろん徹底した技術研修やプロトコルの統一は図られているものの、「理事長に診てもらえると思っていたのに違った」「担当医によって見解や施術の丁寧さにムラがある」といった不満が生じるのは、分院ビジネスモデルが必然的に抱えるジレンマと言えます。