SNS(旧TwitterやThreads)、知恵袋などの投稿を分析すると、花粉シーズン中の咳に苦しむ人々の切実な告白が浮き彫りになります。
「昼間は鼻水だけなのに、夜布団に入った瞬間に喉の奥がムズムズして咳が止まらなくなり、睡眠不足で限界を迎えている」「熱はないのに電車やオフィスで咳き込んでしまい、周囲から感染症ではないかと疑いの目で見られる精神的ストレスが一番つらい」といった悲痛な叫びが目立ちます。
なぜ夜になると咳は止まらなくなるのか?
夜間から明け方にかけて咳が劇的に悪化する背景には、人間の生体リズムと室内環境に関わる3つの複合要因があります。
第1に、自律神経の切り替わりです。夜間に睡眠状態に入ると副交感神経が優位になります。副交感神経が活発化すると気管支は自然と収縮して細くなるため、わずかな刺激でも咳反射が起きやすくなります。
第2に、抗炎症ホルモン(コルチゾール)の低下です。体内のアレルギー炎症を自然に鎮める副腎皮質ホルモンの分泌量は、深夜から早朝にかけて最低レベルまで落ち込みます。これにより、日中は抑えられていた気道の過敏性がむき出しになります。
第3に、寝具に蓄積した花粉の吸入です。外着や髪に付着して室内に持ち込まれたスギ花粉は、人が動かない夜間に床やベッドの高さ(床上30cm以内)へ沈降します。横たわって就寝することで、その「花粉だまりゾーン」に直接顔を埋める形になり、一晩中アレルゲンを吸い込み続けてしまうのです。