見た目には同じような茶色い微粉末でありながら、なぜ純ココアとミルクココアでここまで重さに格差が生じるのでしょうか。その理由は、粉体を構成する原材料の「物質としての比重」と「粒子構造」にあります。
世界的な基準であるバンホーテンピュアココアに代表される純ココアは、カカオ豆を発酵・焙煎したカカオマスからカカオバター(油分)の一部を圧搾し、微細に粉砕した粉末です。添加物は一切含まれておらず、植物組織由来の不溶性食物繊維が約30%近くを占めます。この粒子は非常に細かく、内部に微小な空間を多く抱え込むため、ふんわりと空気を含みやすく、体積あたりの重さ(見掛け比重)が軽くなります。
対して、森永ミルクココアなどに代表される調整ココアは、純ココアパウダーに「砂糖(グラニュー糖・上白糖)」「脱脂粉乳」「全粉乳」「麦芽糖」「乳化剤」などがブレンドされています。原材料表示の筆頭に記載されている砂糖は、純ココアよりも結晶の密度が高く、比重が極めて重い物質です(上白糖は大さじ1で約9g、グラニュー糖なら約12g)。重い糖類や乳固形分が全体の70〜80%を占めているため、スプーンですくった際に粉同士が密着し、同じ15mlの容積でもズッシリとした重みになるわけです。
ピュアココア大さじ1カロリーは約16〜23kcal程度と控えめですが、ミルクココア大さじ換算では1杯あたり約40kcal前後に達します。糖質含有量も3倍以上異なるため、健康管理や糖質制限を行っている方にとっても、この成分構成の違いを認識しておくことは極めて重要です。