「鳥頭(トリ頭)」という記憶力が乏しいことを揶揄する言葉は、現代の鳥類学によって完全に過去の遺物となりました。頭のいい鳥類の筆頭であるカラス、とりわけニューカレドニアガラスを対象にしたカラスの知能と実験では、人間の5〜7歳児に匹敵する論理的思考力が実証されています。
有名な「イソップ物語実験」では、水が入った細い筒の底にある餌を取るため、カラスは自発的に重い石を選んで水中に落とし、水面を上昇させて餌を獲得しました。さらに、針金を曲げてフックを作り、筒の奥のバケツを引っ張り上げるという「道具の加工・製作」すら迷いなく実行します。カラスは因果関係を論理的にシミュレーションしてから行動に移す能力を持っています。
また、鏡に映った自分の姿を自己と認識できるかを試す「ミラーテスト」において、霊長類以外でパスした数少ない陸上動物がゾウです。鏡を見せられたアジアゾウは、額につけられた塗料のマークを自分の鼻で触り、鏡像が自分自身であることを確認しました。ゾウの自己認識は、広大な縄張りの地図を数十年単位で正確に記憶する驚異的な海馬の機能や、死んだ仲間の遺骨の周りに集まり追悼するような儀式的行動を支える基盤となっています。