Ja書道コンクール入賞作品の共通点|審査員が惚れ込む筆遣いと配置の極意

Ja書道コンクール入賞作品の共通点|審査員が惚れ込む筆遣いと配置の極意

Ja書道コンクール入賞作品の共通点|審査員が惚れ込む筆遣いと配置の極意にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

広大な体育館や審査会場に数千枚の選抜作品が敷き詰められる光景は圧巻です。審査員は立った状態で歩きながら、わずか数秒で作品の持つ引力を直感的に見極めます。この第一関門を突破し、最終選考に残るJA書道コンクール入賞作品には、例外なく次の3つの特徴が宿っています。

第1の要素は、「立体感のある生きた線質」です。単に墨が濃く太いだけでは、審査員の心は動きません。始筆(筆の入り)から送筆(引き)、終筆(止め・払い)に至るまで、筆の穂先が紙の繊維を捉えて押し戻すような弾力感――いわば「紙を押しのける力強さ」が線の中に宿っているかどうかが厳しく見られます。平面的に撫でたような線ではなく、渇筆(かすれ)と潤筆(みずみずしさ)が自然に交錯する線こそが、審査会場の遠目からでも強烈な存在感を放ちます。

第2の要素は、「紙面を支配する絶妙な文字配分と余白の白」です。初心者は黒い墨の形ばかりを気にしがちですが、入賞作の作者は「墨がついていない白い部分の形(余白)」の美しさを無意識に捉えています。文字同士の間隔、懐(ふところ)の広さ、紙の上下左右に残された余白のバランスが均整を保ち、作品全体が一つの呼吸をしているかのように調和しています。

第3の要素は、「学年相応の素直な骨格と躍動感」です。審査関係者の証言によると、「小さくまとまった上手な字」は一次審査で真っ先にふるい落とされます。少々の線の震えや配置の狂いがあっても、腕全体を使い、堂々と書き切った伸びやかさのある作品が圧倒的に高い評価を獲得します。大人の字を無理に真似させた作為的な作品は、かえって審査員の警戒感を強める要因になります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。