行動右翼の代名詞ともいえる街宣車ですが、なぜ威圧的な大型バスやワンボックスカーが多く、その大半が黒や濃紺に塗装されているのでしょうか。これには複数の理由が存在します。
第一に、「皇室への敬意」と「喪に服す意味」という思想的背景です。戦後の日本社会のあり方や伝統の喪失を憂い、国を憂う姿勢を表すシンボルカラーとして黒が選ばれた経緯があります。第二に、街頭における圧倒的な視覚的威圧感と認知度の獲得です。漆黒の車体に菊の御紋や旭日旗、金文字のスローガンを配置することで、周囲へ強烈な心理的インパクトを与えます。
大音量で軍歌や演説を流す主目的は、世論へのアピールだけに留まりません。標的とした企業や団体の敷地周辺で活動を行うことで、心理的プレッシャーをかけて交渉や面会を引き出す手段としても使われてきました。ただし現在では、各自治体の拡声器暴騒音規制条例や、国会議事堂・外国公館周辺の静穏を保持する法律(静穏保持法)による厳しい法規制が敷かれており、警察による音量測定や即時警告、摘発が厳格化しています。