かつて命を支える食糧として利用されたペンギンですが、20世紀半ばを境に人間が口にすることは完全に不可能となりました。その背景には、乱獲による生態系の破壊と、国際的な自然保護意識の高まりがあります。
1959年に採択され1961年に発効した「南極条約」は、南極地域を軍事利用から隔離し、科学的調査の自由と環境保護を国際協調で進める枠組みを確立しました。さらに1991年に採択された「環境保護に関する南極条約議定書(マドリード議定書)」によって、南極の動植物に対する保護規制は決定的なものとなります。
現在、南極条約地域(南緯60度以南)において、学術研究目的の正規許可を除き、ペンギンを含む野生動物を捕獲・殺傷・採取することは国際法および国内法(南極地域の環境の保護に関する法律)で固く禁じられており、違反者には厳しい刑事罰が科されます。また、南極以外の地域に生息するガラパゴスペンギンやフンボルトペンギンなども、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約 / CITES)や各国の国内法によって厳重に保護されています。