事件の検証は、劇映画にとどまらない。1999年の米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した『ワン・デイ・イン・セプテンバー』は、生存するテロリストへの独占インタビューや犯行現場の未公開映像を盛り込み、世界に大きなショックを与えた。この歴史ドキュメンタリーは、西ドイツ警察の無能さと危機管理の甘さを容赦なく暴き出し、事件の再評価を決定づけた。
今日、映画産業の主戦場はストリーミングサービスへと広がり、Netflixなどのプラットフォームでは事件を新たな多角的視点から捉え直すドキュメンタリーシリーズが相次いで配信されている。アーカイブ映像のデジタル修復やAIを活用した証言解析技術により、かつて埋もれていた細部が鮮明に蘇る。真実を風化させず次世代へ継承するうえで、映像メディアが果たす役割は以前にも増して重要性を増している。