メヒカリの最大の魅力は、小骨が非常に柔らかく骨ごと食べられる点にあります。しかし、適切な下処理を怠ると、内臓の苦味や独特の深海魚臭が残り、せっかくの繊細な味わいが台無しになってしまいます。プロの料理人が実践する下処理手順を押さえることで、仕上がりのクオリティは劇的に向上します。
まず押さえるべきは、サイズに応じた頭と内臓の処理方法です。体長10cm未満の小型個体であれば頭を落とさず内臓だけを抜く調理も可能ですが、家庭で誰でも美味しく、かつ安全に食べるなら「頭を落として内臓を一気に掻き出す」手法が確実です。
包丁の刃元をエラの後ろに斜めに入れ、背骨を断ち切ったところで頭をゆっくり引っ張ると、主要な内臓の大部分が頭と一緒に引き出されます。その後、腹腔内に残った黒い薄膜や血合いを流水と指先(または竹串)を使って綺麗に洗い流します。この「黒い膜」こそが臭みの温床となるため、妥協せずに洗い落とすのがメヒカリの臭み取りにおける決定的なコツです。
水洗い後は、ペーパータオルで腹の内部まで水気を完全に拭き取ります。ここで軽く振り塩(全体重量の約1%)をして5〜10分ほど置き、浮き出た余分な水分と臭み成分を再度拭き取る「脱水処理」を行うと、身が引き締まり、揚げたときに生臭さが一切残らない極上の仕上がりになります。