独立系映画で尖鋭的なリアリズムを見せる一方、テレビドラマの世界でも国民的な記憶として刻まれる名演技を遺している。その筆頭が、連続テレビ小説『おしん』(NHK)だ。
主人公おしんの壮年期・晩年期を見事に演じ切り、圧倒的なリアリティをもって茶の間に届けた。耐え忍ぶ日本の女性像に温かい血を通わせ、どんな逆境に立ち向かっても折れない生命力を画面越しに爆発させた演技。NHKの放送を通じて日本中を涙させ、さらには世界数十カ国で放映されて大ムーブメントを巻き起こした。テレビの前の誰もが、彼女の瞳の奥に宿る「昭和の母の強さ」に深く揺さぶられたのだ。