音楽ニュース等で「1stフルアルバム」のリリースが大々的に報じられるのには、業界構造上の明確な理由があります。シングルを何作か発表した新人が満を持して放つ最初のフルアルバムは、アーティストとしての本格的な独り立ちを意味する名刺代わりの金字塔だからです。
フルアルバムを制作するには、最低でも10曲前後のハイクオリティな楽曲を揃え、全体の曲順(曲間やマスタリングのトーンバランスを含む)を設計し、アートワークやブックレットを含めた総合芸術としてパッケージングする必要があります。これには莫大な制作費とスタジオ作業時間、そして何よりアーティスト自身のクリエイティビティが求められます。
パッケージ商品のフルアルバム価格相場は、国内盤CDで3,000円〜3,500円(税込)前後が標準です(初回限定盤の映像特典付きなどは4,000円〜5,000円以上)。シングル(1,200円〜1,500円)やミニアルバム(2,000円〜2,500円)と比較して高単価であるため、ビジネスの観点からもツアー開催やグッズ展開と連動した最大の収益基盤となります。