悲劇は往々にして、意図せぬ偶然から始まる。朝の通勤ラッシュ。身体を身動きできないほど押し込められた車内で、誰かの荷物が触れたり、揺れによって身体がぶつかったりした瞬間が発端となることが多い。触れられた側は強い不快感と恐怖から即座に犯人を特定しようとする。その際、もっとも近くに立っていた人物へ直感的に疑いの目が向けられるのだ。
現場で周囲の乗客が騒ぎに気づくと、空気は一気に緊迫する。疑いをかけられた人物は狼狽し、その挙動不審な態度が周囲には「後ろ暗さのあらわれ」と映ってしまう。言葉の行き違いや初期対応のミスが重なることで、事態は急速に悪化していく。これが無実の罪へ至る典型的な経緯解説だ。