1970年代から80年代にかけて、街のツッパリ達のエネルギーは二輪車や四輪車のカスタムへと向かい、巨大な集団へと発展していった。これが日本独自の暴走族文化である。その代表格として全国にその名をとどろかせたのが「ブラックエンペラー」だ。巨大な組織力と統制された集会は、当時の社会問題となりつつも、若者たちの強い連帯の象徴でもあった。
こうした渦中に身を置き、後に暴走族の歴史や実態を伝える証言者となったのが、暴走族評論家としても知られる岩橋健一郎氏である。彼らの語るエピソードは、警察やメディアによる外側からの報道とは異なり、内側の人間関係や過剰なまでの情熱、そして若さゆえの孤独や迷いを浮き彫りにする。過激な爆音の裏にあったのは、居場所を求める少年たちのリアルな青春の叫びだった。