累計発行部数1,400万部を超える上田美和の伝説的少女コミックを実写化した『ピーチガール』。本作で伊野尾慧が抜擢されたのは、学校一のモテ男でありながら、心に深い孤独を抱える岡安浬(カイリ)という難役でした。
当時の伊野尾といえば、情報番組やバラエティ番組で見せる人懐っこいキャラクターと特徴的なマッシュヘアで“伊野尾革命”と呼ばれる社会現象を巻き起こしていた真っ只中。映画初出演にして初主演という大きなプレッシャーがかかる中、彼が体現したカイリは、まさに原作ファンをも唸らせる完成度でした。
普段はお調子者でチャラチャラとした態度を見せつつも、主人公・もも(山本美月)がピンチの時には誰よりも早く駆けつける男らしさと切ない眼差し。伊野尾はトレードマークの柔らかい雰囲気を活かしつつ、ふとした瞬間に見せるシリアスな表情のコントラストを見事に描き出しました。持ち前の華奢なスタイルと端正な顔立ちが二次元キャラクターの持つ非現実的な魅力を忠実に再現し、実写化映画としての説得力を決定づけたのです。