朝ドラのキャスティングには、大きく分けて公募オーディションと制作陣からの直接オファーという2つのルートが存在します。
新人発掘の場となるオーディションでは、毎回2,500名から3,000名を超える応募が殺到します。記憶に新しい『あんぱん』では応募者数3,315人、『ばけばけ』でも2,892人を記録し、朝ドラヒロインのオーディション倍率はおよそ数千倍という驚異的な狭き門です。審査員が注視するのは、単なる容姿の美しさや完成された技術ではなく、「見る者を惹きつける目の輝き」「毎朝見ても飽きない生命力」「過酷なスケジュールに耐えうるメンタルの強さ」だと言われています。
一方、近年増加している直接オファーでは、作品のテーマ性やモデルとなる実在人物の再現度、そして何よりも物語を背負って立つ確固たる演技力と実績が朝ドラヒロインのオファー条件となります。制作側が「この役はこの人でなければ成立しない」と確信した上で企画を立ち上げるケースも多く、作品のクオリティを担保する重要な戦略となっています。