『新宝島』をギターで攻略する際、ソロと並んで最重要となるのがイントロから全体を支配する16ビートのカッティングです。楽曲の基本的なコード進行は、王道ポップスのエッセンスを昇華させた「D - E - C#m - F#m(IV - V - iii - vi)」の進行(キー:Aメジャー / F#マイナー)を基軸としており、親しみやすさと切なさが同居する響きを持っています。
TAB譜(タブ譜)を開いた初心者が最初に直面する壁が、イントロの単音リフから流れるように移行するカッティングのキレです。ここで原曲のクオリティに近づけるための技術的ポイントは以下の3点に集約されます。
- 左手の「浮かし」による確実なミュート:和音を鳴らした直後、指を弦から完全に離さず、フレットから0.5ミリ浮かせて音をスパッと切る。これがないと音が濁り、ダンスビートの推進力が損なわれます。
- 右手の脱力とストロークの振り幅:手首のスナップを柔らかく保ち、ピックを深く当てすぎないこと。16分音符のオルタネイトピッキング(上下運動)を一定のリズムで振り続ける「空ピッキング」の維持が不可欠です。
- ゴーストノート(ブラッシング音)の粒立ち:コードを鳴らしていない拍でも「ツクツク」というパーカッシブな音を均一に混ぜることで、単なるコード弾きが本格的なファンクカッティングへと昇華します。
岩寺基晴氏のプレイを注意深く観察すると、ピックの持ち方は非常に浅く、弦に対して平行に近い角度でアタックしていることが確認できます。これにより、耳障りな高音ノイズを抑えつつ、芯のあるクリアなアタック音を生み出しているのです。