長年、理想の「母と息子」を演じてきた泉ピン子とえなりかずきの間に報じられた深刻な確執は、ドラマファンのみならず社会的な関心を集めました。
事態が公に知られる決定打となったのは、2019年に脚本の橋田壽賀子が生前のインタビューで明かした告白でした。橋田は「えなりがピン子さんと共演すると発疹が出るほど拒絶反応を示すため、同じ場面で顔を合わせないようプロットを変更せざるを得なかった」と語り、実際に2019年のスペシャル版では、五月が旅行に出かけて眞と直接会わないという極めて不自然なストーリー構成が取られました。
報道各社の取材や関係者の証言によると、両者の関係悪化は単純な感情の対立にとどまりません。子役時代から実の親子同然に指導し、プライベートや交友関係、仕事の進路にまで細かく助言を与えようとした泉ピン子の強烈な母性・庇護欲に対し、成人して一人の独立した男性・表現者となったえなりが強烈な息苦しさを感じたことが根底にあります。
公の場で「なぜ嫌われたのか理由が分からない」と困惑を見せる泉ピン子と、沈黙を守りながらも一定の距離を置き続けるえなりかずき。両者の溝は現在も完全に埋まったとは言えませんが、お互いにプロとして自立したフィールドで活動を続けています。