おりものシートや下着に出血を確認した際、それが「受精卵の着床に伴う出血」なのか「単なる生理の始まり」なのかを肉眼だけで100%区別することは、産婦人科医であっても容易ではありません。ただし、出血の性状、期間、そして基礎体温のデータを複合的に照らし合わせることで、高精度な推測が可能になります。
着床出血の色・量・特徴としてまず挙げられるのが、出血量の極端な少なさです。生理のようにナプキンを取り替える必要はなく、おりものに少量の血が混じる程度や、トイレットペーパーで拭いた際にうっすら付着する程度にとどまるケースがほとんどです。色は鮮紅色であることもありますが、多くは酸化した茶褐色や淡いピンク色を呈します。また、出血の継続期間も1〜2日、長くても3日程度でピタッと止まるのが典型的なパターンです。
対して通常の生理は、最初は少量であっても2〜3日目にかけて経血量が増加し、レバー状の血の塊が混じることもあります。期間も5〜7日間にわたって続きます。さらに決定的な指標となるのが基礎体温の動きです。排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で体温は高温期を維持しますが、妊娠が成立していなければ黄体機能の低下に伴い生理開始前後に体温がガクンと低下します。もし生理予定日前後に出血があっても、高温期が途切れることなく14日以上続いている場合は、着床出血を含めた妊娠初期の出血である可能性が急激に高まります。