似顔絵の世界において、みやぞんほど「描き手を選ばないタレント」は極めて稀です。美術教育を一切受けていない子どもが描いた落書きであっても、見る人が一瞬で「あ、みやぞんだ!」と認識できるのには、明確な視覚構造の理由が存在します。
記号論および視覚認知の観点から分析すると、みやぞんの顔立ちには3つの絶対的シグニファイア(象徴的記号)が凝縮されています。
第1の要素は、圧倒的な存在感を放つ「垂直にそびえるリーゼントヘア」です。頭頂部から前上方へと大胆にせり出したヘアスタイルは、顔全体の輪郭を縦長の黄金比へと自然に誘導します。このシルエットがあるだけで、人間の脳は無意識に「みやぞん」という検索インデックスを脳内データベースから引き出します。
第2の要素は、トレードマークである「三日月状の細い目」です。一般的な似顔絵では目の瞳や虹彩の描き込みに苦心するものですが、みやぞんの場合は笑顔の瞬間に目が美しい一本の弧を描きます。下向きのカーブではなく、両端がキュッと上がったポジティブな弧を描くことで、あの屈託のない幸福感が瞬時に立ち現れます。
そして第3の要素が、「大きく開いた口と整った白い歯」です。口角が頬骨の高さまで引き上げられ、上の歯並びがしっかりと見える形状は、心理学的に「デュシェンヌ・スマイル(本物の笑顔)」として認識されます。これら3つの要素が三角形の配置(目・口・髪型)で強固に結びついているため、少々デッサンが狂っていても破綻せず、強烈な「激似感」が生み出される仕組みです。