「fill in」と「fill out」の使い分けを理解する鍵は、前置詞「in」と「out」が持つ空間把握のイメージ(スキーマ)にあります。
まずfill inは、「枠の内側(in)に何かを入れ込む」感覚を持ちます。そのため、用紙の中にある特定の空欄、氏名欄、チェックボックスといった「部分的なスペースを埋める」動作に対して最も自然に働きます。テスト問題などでよく見かける「fill in the blanks(空欄を埋めよ)」という指示文は、まさにこの典型例です。
一方でfill outは、「用紙の余白を外枠(out)の隅々まで埋め尽くして完成させる」というニュアンスを帯びます。単に1箇所へ名前を書くだけではなく、申請書や問診票などの全体に必要な情報を漏れなく書き入れ、書類として完成させる行為を指します。
ネイティブスピーカーはこの2つの前置詞の広がりを無意識に感じ取り、「部分への記入(fill in)」と「全体としての完成(fill out)」を直感的に区別しています。