ネット上の質問掲示板やSNSでは、「6画だと思って命名したのに、別の姓名判断サイトで見たら7画や9画と判定されてショックを受けた」という相談が後を絶ちません。ここには、日本の文字行政と伝統的な易学・姓名判断の間にある決定的なルールの食い違いが存在します。
このトラブルを引き起こす主な原因は以下の3点に集約されます。
1. 「康熙字典(旧字)基準」と「現代筆記(新字)基準」の対立
文部科学省の常用漢字表や戸籍法上の新字体では、手で書く通りのストローク数(実画数)を「6画」と定義します。一方、歴史ある姓名判断の多くは清代の『康熙字典』を規範としています。たとえば「有」という字は、現代の手書きでは6画ですが、旧字派の流派では下部が「月」ではなく「肉(にくづき・本来4画が部首化して肉月)」であると解釈し、部首画数の元の姿に戻して計算するケースがあります。その結果、鑑定上は8画や9画として処理され、計算が狂ってしまうのです。
2. 偏(へん)や冠(かんむり)の元画数換算ルール
草冠(くさかんむり)を含む漢字や三水(さんずい)を含む文字でも同様の現象が起きます。手書きの草冠は「艹」で3画(または4画)として数えられますが、旧字派では「艸(6画)」として加算します。6画文字そのものだけでなく、6画の部首が組み合わさった文字を評価する際、流派による解釈の差が数理判定を大きく左右します。
3. 筆順(書き順)の勘違いによる単純誤認
名付け以外の日常筆記や漢検学習で多発するのが、書き順の誤解によるカウントミスです。典型的なのが「成」「曲」「及(3画だが4画と誤認されやすい)」「迅(6画)」などです。「成」は「ノ(1画)→ 横(2画)→ 縦折れフ(3画)→ 横(4画)→ 斜め反り(5画)→ 点(6画)」という厳格な筆順規則がありますが、斜め反りと点を一筆で書いたり、縦折れの分割を間違えて7画と思い込む事例が散見されます。