血液型ダイエットにおいて最も強調されるのが、B型と乳製品の親和性です。ダダモ理論では、「B型は遊牧民由来であるため、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品を効率よくエネルギーに変換できる唯一の血液型」と主張されています。
これに対し、栄養生化学の観点から検証を進めると、ある程度の裏付けと注意すべき盲点が浮き彫りになります。
乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が大人になっても分泌され続ける現象を「ラクターゼ活性持続症」と呼びます。この形質は、数千年以上にわたり酪農や牧畜を営んできた北欧集団やアフリカ・中央アジアの牧畜集団において顕著に見られる遺伝的適応です。乾燥地帯で家畜の乳を主食としてきた遊牧民の子孫集団において、乳製品に対する耐性が高いことは事実です。
しかし、日本人の成人における乳糖不耐症の割合は約70〜80%に達します。B型の日本人であっても、遺伝的背景の大部分は稲作農耕を行ってきた東アジア集団に属しているため、「B型だから乳製品をいくら摂っても下痢をしない」という短絡的な理解は危険です。
また、ダダモ理論が主張する「鶏肉やトウモロコシに含まれるレクチン(特定の糖鎖に結合するタンパク質)がB型の血液を凝集させ代謝を低下させる」という説についても、国際的な臨床試験(ランダム化比較対照試験)において有意な効果は実証されていません。赤血球の凝集は実験室内の極端な条件下で観察される現象であり、消化管内で同様の害が生じるわけではない点に留意する必要があります。