大手SNSや知恵袋、健康フォーラムに寄せられた数千件のユーザー投稿を分析すると、市販薬に対する過剰な期待と自己判断による誤用が浮き彫りになります。
「メジコンを飲んだら一晩で咳が落ち着いた」という高い評価が散見される一方で、「まったく効かない」「喉の乾きが異常で余計に咳き込んだ」というネガティブなレビューも目立ちます。後者の利用実態を深掘りすると、喘息性の気道過敏を抱えていたり、痰が大量に出ているにもかかわらず鎮咳錠を連用していたりするパターンが大半を占めていました。また、漢方の麦門冬湯に関しても「即効性がない」と1〜2回で服用を中断してしまう事例が多く、生薬の作用機序が十分に理解されていません。
調剤薬局の現場薬剤師からは、市販咳止め薬に含まれるコデイン類に関する警鐘が鳴らされています。「ジヒドロコデインリン酸塩」などは高い鎮咳力を誇る反面、腸管運動を抑制するため頑固な便秘を引き起こしやすく、中枢神経抑制による日中の強い眠気やふらつきを伴います。長引く咳で焦るあまり、記載された用量を超えて過剰服用(オーバードーズ)に陥る若年層の事例も社会問題化しており、市販薬の「手軽さ」の裏にあるリスクを冷静に認識しなければなりません。