油を使わずに衣をカリッと香ばしく焼き上げる最大のカギは、衣のブレンドと「二段階の温度加熱」にある。片栗粉と薄力粉を7:3の黄金比率で合わせることで、表面の水分を効率よく飛ばし、軽やかな食感を生み出すのだ。さらに、隠し味として少量のマヨネーズとごま油を肉の下味に揉み込むことが、劇的な美味しさへの第一歩となる。マヨネーズに含まれる乳化油分が加熱時に衣へと適度に染み出し、油で揚げたかのような黄金色のサクサク感を演出してくれる。
火加減の制御も欠かせない。予熱を230度の高設定にし、前半は220度で一気に表面の衣を固める。後半は200度に落とし、中までじっくり熱を通す。この温度差によって、肉の水分とジューシーさを閉じ込めつつ、衣の水分だけを蒸発させることができる。仕上げにクッキングシートではなく網を使用し、蒸気が底にこもらないよう熱風を対流させる工夫が、失敗を防ぐプロの鉄則だ。