本作のバックボーンには、人気作家・赤川次郎が1978年に発表した同名ミステリー小説があります。原作は軽快なユーモアとテンポの良いサスペンスが魅力のジュブナイル小説でしたが、メガホンをとった相米慎二監督の手によって、重厚でどこか退廃的な青春映画へと大胆に再解釈されました。
物語のあらすじは、事故で父親を亡くしたごく普通の女子高生・星泉が、突如として構成員わずか4人の零細ヤクザ組織「目高組」の四代目組長を襲名することから始まります。対立するヤクザ組織や麻薬密売組織の抗争に巻き込まれながら、泉は組員たちとの絆を深め、過酷な裏社会の現実へと立ち向かっていきます。
相米監督が得意とした長回し(ワンシーン・ワンカット)の撮影技法は本作でも遺憾なく発揮され、クレーンに吊るされた薬師丸ひろ子が街中を空中遊泳するオープニングや、コンクリートミキサー車に生き埋めにされかける緊迫のシークエンスなど、見る者を圧倒する映像美が構築されました。