事件が社会の表舞台に現れた直接のきっかけは、2011年11月、尼崎市内の貸倉庫でドラム缶にコンクリート詰めされた大江和子さん(当時66歳)の遺体が発見されたことでした。この捜査の過程で、大江さんの長女や次女、その関係者らが警察に保護・逮捕されたものの、取り調べが進むにつれて驚愕の事実が判明します。彼女たちに凄惨な暴行を指示し、実母を死に至らしめるよう強制していた影の主犯が、戸籍上は何の血縁関係もない角田美代子だったのです。
さらに翌2012年、兵庫県警が角田の周辺を本格捜索したところ、尼崎市の角田の自宅マンション敷地や、香川県高松市、岡山県の海などから次々と行方不明者の遺体が発見されました。死者・行方不明者は関連を含めると10名以上、被害を受けた世帯は少なくとも3家族に及ぶという未曾有の事態へと発展していきました。
報道各社の取材データや確定判決の記録に基づく主な被害者の一覧は以下の通りです。
- 大江和子さん(当時66歳):2011年9月、角田らによる連日の暴行の末に死亡。ドラム缶にコンクリート詰めで遺棄。
- 皆吉コンさん(当時87歳):美代子の義理の妹の母。2008年に沖縄で崖から転落死(名目上は事故死とされ多額の保険金が支払われた)。
- 安藤みつゑさん(当時71歳):美代子の長男の妻の母。バルコニーに設置された小型小屋に監禁され、2011年に衰弱死。
- 橋本久芳さん(当時53歳):美代子の従姉の夫。激しい暴行を受け、2005年頃に死亡後、ドラム缶にコンクリート詰めで岡山海中に遺棄。
- その他行方不明・変死者:美代子の義妹の兄や、親族関係にあった複数の人物が次々と不審死や失踪を遂げています。
これらの人々は、暴力団関係者を装った恫喝と、家族の些細な弱みを突いた執拗な心理攻撃によって自立した思考を奪われ、最終的には「美代子の機嫌を損ねないため」に身内を攻撃する構造へと追い込まれていきました。