『男はつらいよ』歴代おいちゃん3名の交代理由と知られざる舞台裏

『男はつらいよ』歴代おいちゃん3名の交代理由と知られざる舞台裏

『男はつらいよ』歴代おいちゃん3名の交代理由と知られざる舞台裏に関する深掘り記事をまとめてご紹介します。関心のある方は必見です。

インターネット上の映画コミュニティやSNSでしばしば見られる誤解が、「おいちゃんの交代」と「団子屋の屋号変更」が連動しているという言説です。「おいちゃんが変わったタイミングで店名が『とらや』から『くるまや』に変わったのではないか」と記憶している人が少なくありません。

これは明らかな事実誤認です。店舗の屋号が変更されたのは、3代目・下條正巳の時代である1988年公開の第40作『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』でした。

改称の理由はキャストの交代ではなく、現実世界の事情に起因しています。実在する室町時代創業の高級和菓子舗「とらや」(株式会社虎屋)に対する商標配慮や、作中で店舗の老朽化に伴う全面改装(リニューアルオープン)を描く演出上の節目が重なったためです。劇中では、店舗の建て替えを機に本家の屋号「とらや」から、苗字を冠した「くるまや」へと暖簾を改めました。

また、「おいちゃんが何度も変わったように、おばちゃんも変わったのでは?」という疑問も散見されますが、おいちゃん・おばちゃんを演じた俳優のうち、おばちゃん(車つね)役の三崎千恵子は第1作から第48作、そして特別篇・第50作に至るまで一度も交代していません。おばちゃんが終生変わらずそこに座り続けていたからこそ、おいちゃん役の交代劇という最大の危機を作品世界が乗り越えられた事実は見逃せません。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。