石立鉄男を語る上で欠かせない存在が、『パパと呼ばないで』でチー坊役を演じた杉田かおるです。当時わずか7歳だった杉田にとって、石立は芸能界における厳しくも温かい「育ての親」でした。
撮影現場での石立鉄男は子役扱いを一切せず、一人のプロの役者として杉田に接しました。セリフを少しでも甘く覚えたり集中力を欠いたりすると容赦ない叱責が飛び、泣き出す杉田を本気で指導したエピソードは有名です。しかしカメラが止まれば誰よりも優しく抱きしめ、お菓子を買い与えるなど、まさに劇中の「右京とチー坊」そのままの関係でした。
メディアやゴシップ誌『噂の真相』などでは、時に石立鉄男の気難しい一面や破天荒な私生活がスキャンダラスに取り沙汰されることもありました。しかし杉田かおるは後年、テレビ番組やインタビューで「石立さんは本当に繊細で、誰よりも純粋で優しい人だった」と振り返っています。通夜や葬儀の場で見せた杉田の号泣する姿は、二人の間に存在した本物の師弟愛と絆を物語っていました。