岸和田だんじり祭の代名詞とも言える「やりまわし」。その迫力は、巨大な構造物が物理的な限界を超えた速度で回転することから生まれる。前梃子(まえてこ)と呼ばれる太い木棒を車輪に突っ込んでブレーキをかけ、後梃子を握る大勢の引き手が力任せに舵を切る。この一瞬のタイミングがわずか数センチずれるだけで、だんじりは制御を失い、電柱や民家の壁面に激突する。
屋根の上で華麗に舞う「大工方(だいくがた)」の落下の危険性も高い。高さ約4メートルの位置でステップを踏みながら合図を送る役割だが、急ブレーキや急旋回の衝撃で振り落とされる事故は過去に何度も起きている。さらには、倒れてきた車輪の下敷きになったり、転倒した引き手が後続の群衆になだれ込まれたりと、危険の発生源は多岐にわたる。