かつて「夢の原子炉」と称された高速増殖炉もんじゅの挫折を受け、国内における研究の拠点は茨城県大洗町に位置する高速実験炉常陽へと移された。だが、規模の限られた実験炉で実証レベルのデータを確保することには限界がある。国内開発の足踏みを打破するため、政府が求めたのは海外への出路だった。
期待の旗印とされたのがフランス実証炉ASTRID計画への参画である。国際共同開発によって技術の断絶を防ぐ意図だったが、2019年にフランス側が計画の中断を電撃的に決定。日本の高速炉開発シナリオは再び梯子を外される形となった。外交と技術戦略の脆弱性が浮き彫りとなり、将来の技術継承ルートは暗雲に包まれている。