なぜ、あの独特なニオイとクセは生まれるのか。答えは製造工程で使われる凝固剤の存在にある。凝固剤として用いられる水酸化カルシウムのアルカリ成分と、原材料由来の微量な成分が反応を起こす。さらに、魚くささの要因でもあるトリメチルアミンなどの揮発性物質が複雑に絡み合い、特有のエグみを発するのだ。
近年の調理科学分野の研究では、熱を加えることだけが不要な成分を抜く唯一の手段ではないと証明されている。熱湯で茹でる行為はアルカリ分をある程度中和し、水分とともに臭み物質を流出させる仕組みだ。だが同時に、加熱しすぎると独特の歯ごたえが損なわれるリスクも孕んでいた。