「半袖の上から上着を羽織るのはダサい」という世間の評価。その根底には、腕の素肌がジャケットの袖口から唐突に覗くアンバランスさや、裏地への汗移りという衛生面の懸念が存在していた。肩パッドがしっかり入った硬質なスーツに短袖のインナーを合わせると、チグハグな印象を免れない。
しかし、近年のクールビズ文化の定着と素材技術の進化がこの常識を塗り替えた。現在の主流は、芯地や裏地を徹底的に削ぎ落としたアンコンストラクション(アンコン)仕様だ。軽やかでカーディガンのように羽織れる上着の登場により、過度なフォーマル感を払拭した軽快なスタイルが成立するようになった。クライアント訪問など厳格な商談の場では長袖が基本のマナーであることに変わりはないが、社内業務やカジュアルな打ち合わせであれば、適切な選び方次第で「洗練された夏の装い」として高く評価される時代に入っている。