甘みと塩味が織りなす圧倒的な中毒性には、きちんとした科学的根拠が存在する。醤油に含まれるアミノ酸と、砂糖および餅の糖分が高温で熱されることで起こる「メイラード反応」だ。この化学反応によって生じる特有の香ばしい芳香化合物が、私たちの食欲を強烈に刺激する。
ユネスコ無形文化遺産にも登録されている和食の文化において、米と醤油の組み合わせはまさに原点と言える。米を原料とする餅と、大豆を発酵させて作られる醤油が出会うのは必然であり、そこに貴重なエネルギー源だった砂糖を合わせる発想は、先人たちの暮らしの知恵そのものであった。