事の発端は、数年前に公開されたインディーズホラーのワンシーンだった。それが2025年末から2026年にかけて海外のZ世代の間でバイラル化。言葉の壁を越え、ただ佇むだけで恐怖と哀愁を同時に漂わせる彼のクローズアップが、無数のリミックス動画を生み出した。気がつけば、フランスの映画批評誌が彼を「東洋の新たな怪物的才能」と称える事態にまで発展している。
「ただ立っていただけなんだけどね」。本人はインタビューで照れくさそうに笑うが、その「ただ立つ」ことの難しさを、映画関係者たちは誰よりも知っている。無駄な動きを一切削ぎ落としたミニマリズムが、現代の過剰な演出に疲れた観客の心に突き刺さったのだ。