テレビアニメ版『赤ずきんチャチャ』を語る上で、最大のトピックとなるのが配役です。『赤ずきんチャチャ』のリーヤ役声優を務めたのは、当時SMAPのメンバーとして頭角を現していた香取慎吾でした。1994年1月の放送開始当時、香取は弱冠16歳から17歳。本格的なアニメ声優の経験がほぼない状態での大抜擢でした。
第1話から初期のエピソードを振り返ると、セリフ回しは非常に素朴で、いわゆる本職声優の端正な発声とは異なる荒削りさが際立っていました。しかし、回を重ねるごとに表現力は劇的な進化を遂げます。感情を爆発させて叫ぶ「チャチャ〜!」のストレートな響きや、ライバルに対して唸る野性味あふれるトーンは、計算された技術を超えた「リーヤそのものの純粋さ」と奇跡的なシンクロを見せました。当時のアニメ業界関係者や共演した日髙のり子(しいね役)らの回想録でも、多忙を極めるトップアイドルの過密スケジュールの中で、現場で貪欲に演技を吸収していった香取のプロ意識が高く評価されています。
ネット上の一部コミュニティで時折囁かれる「リーヤの声優交代という噂」についても客観的証拠をもとに検証します。結論から言えば、テレビシリーズ全74話およびその後に制作されたOVA全3巻に至るまで、リーヤ役が途中で交代した事実は一切ありません。すべて香取慎吾が一貫して演じ切っています。この噂が広まった背景には、以下の複数の要因が絡み合っています。
第一に、思春期の成長期に伴う声質の自然な変化と、現場での急激なアフレコ技術の向上により、「初期と後期で声の安定感が別人のように違う」と視聴者が錯覚した点。第二に、アニメ終了後に展開された一部のゲーム作品や関連グッズ音声において、肖像権や契約上の都合から代役声優が起用されたり音声自体が未収録だった事例が混同された点です。本編アニメーションにおけるリーヤ=香取慎吾という配役は、最初から最後まで一度も揺らいでいません。