手元の10円玉が数万円の価値を持つ「後期型」なのか、一般的な「前期型」なのかを判別するポイントは、裏面(平等院鳳凰堂が描かれている側)の微細な彫刻意匠に集約されます。鑑定のプロが真っ先に見る昭和61年10円玉後期特徴は、主に以下の2箇所です。
1つ目のポイントは、平等院鳳凰堂の屋根(翼廊の屋根先端)の形状です。前期型では、屋根のラインがなだらかな一枚の傾斜として表現されており、屋根の重なり部分にスリット(切れ目)がありません。対して後期型では、屋根の重なり部分に明確な段差・切れ込みが彫られており、立体的でシャープな陰影が生まれています。
2つ目のポイントは、中央階段の縦線と手すりの構造です。正面階段の側壁部分(手すり・親柱に相当する縦の仕切り線)を観察した際、前期型は線が途中で途切れていたり、階段のステップと曖昧に融合していたりします。しかし後期型では、上から下まで直線が一本しっかりと通り、階段の段差(水平線)も一本一本独立して深く刻まれています。
平等院鳳凰堂屋根と階段の形状違いは、肉眼だけで見分けるのは至難の業です。確認する際は、スマートフォンのカメラのマクロモードで高画質撮影して拡大するか、10倍〜20倍程度のルーペを用いるのが確実です。細部のエッジが驚くほどくっきりしているものが後期型であると覚えておくと識別がスムーズになります。