炊飯器を使いながら、誰もが理想とする「粒立ちの良いパラッとした仕上がり」を実現するには、調味液と水分の投入順序、そしてミリ単位の水加減が成否を分けます。炊飯器の内釜に刻まれた目盛りをそのまま信じるのは禁物です。
失敗を完全に防ぐための鉄則は、まず米の扱い方にあります。通常の炊飯では欠かせない「事前の浸水(水につけておく工程)」は、パエリア作りにおいては絶対のタブーです。米が水分を吸った状態で調味液と合流すると、加熱時に米粒が崩れやすくなります。白米を研いだら、水に浸けずに即座に目の細かいザルへ上げ、3分ほどしっかり水を切ることが第一歩です。無洗米を使用する場合は、研ぐ必要すらなく乾いたまま内釜へ投入するのが最も適しています。
次に決定打となるのが注水の手順です。必ず「米→パエリアの素→水」の順番を守ってください。パエリアの素を先に入れて軽く米と馴染ませた後、冷水を注ぎ入れます。この際の水位は、内釜の「白米2合」の目盛りジャストではなく、目盛り線の下端からさらに2〜3ミリ下を狙います。炊飯モードに「固め炊き」や「早炊き」があれば、それを選択するのがベストです。早炊きコースは沸騰までの吸水時間が短縮されるため、デンプンの過剰な溶出を防ぎ、パエリアらしい引き締まった食感を維持しやすくなります。