ネット上のアイウェア談義で頻繁に見られる大きな誤解が、「高級ハイブランドの定番モデルを選べば間違いなく似合う」という盲信です。実際には、どれほど数十万円するラグジュアリーブランドのサングラスであっても、輪郭との縦横比率を無視すれば致命的な失敗例を生み出してしまいます。
代表的な失敗例が、面長フェイスに対して天地幅の狭いスクエアフレームを合わせてしまうケースです。縦に長さがある輪郭に対し、上下に極端に薄いサングラスをかけると、サングラスから顎先までの距離が強調され、顔の長さが倍増して見えてしまいます。面長タイプに必要なのは、適度な縦幅があり顔の余白を埋めてくれるウェリントン型やボストン型です。
逆に、丸顔タイプが極小のラウンド型(丸サングラス)を選んでしまうケースも典型的な落とし穴です。丸い輪郭の中にさらに小さな円を配置すると、錯視効果によってフェイスラインの丸みが一層膨張し、いわゆる「コミカルなキャラクター感」が強調されてしまいます。丸顔には適度に角のあるクラウンパント型やスクエアベースのフォルムを取り入れ、シャープさを補うのが定石です。
トップスタイリストが担当する芸能人の場合、こうした輪郭の弱点を補正するために「ノーズパッドをクリングスタイプ(金属アーム付き)に付け替えて高さを出す」「フロントの傾斜角を日本人の骨格に合わせて熱加工で調整する」といったミリ単位のカスタマイズを施しています。市販のインポート品を吊るしの状態のまま着用すれば、たとえ超一流芸能人であっても違和感が生じるのは当然の帰結なのです。