ネット上の情報やSNSの言説では、「高倍率の学校=不合格者が大量に出るため難易度が跳ね上がる」「低倍率の学校=全員合格に近い」という単純化された言説が散見されます。しかし、現行の選抜制度においては重大な誤解を含んでいます。
第一の盲点は、倍率と合否ボーダーラインの非連動性です。
倍率が1.4倍の学校と1.2倍の学校を比較した場合、一見すると1.4倍の学校のほうが圧倒的に難関に見えます。しかし、受験者全体の学力層がどう分布しているかによって、実際の広島県公立高校合格ボーダーラインは全く異なる動きを見せます。倍率に怯えて上位校から中堅校へ上位層が多数流入した場合、志願変更先の学校の合格ラインが想定外に高騰し、本来受かるはずだった層が押し出されて涙をのむ事例が実際に多発しました。
第二の盲点は、内申点と学力検査のウェイト配分です。
広島県公立高校内申点合格ラインを過信し、「内申点が満点に近いから倍率が高くても逃げ切れる」と考えるのは極めて危険です。広島県の新制度では、学力検査(当日の試験)の比重が極めて高くなっており、どれほど内申点が高くても当日点の大幅な失点をカバーしきることは難しくなっています。
第三の盲点は、自己表現への過剰な不安と過小評価の二面性です。
合否判定において全体の10〜20%を占める自己表現ですが、「ここで大逆転が起きる」と信じ込む塾関係者や、「自己表現など差がつかないから対策不要」と軽視する層に二極化していました。実態としては、極端な逆転装置ではないものの、ボーダー線上に数十人がひしめく上位校においては、自己表現で数点のビハインドを負ったことが致命傷になったケースが確実に存在します。広島県高校入試自己表現対策を怠った受験生が、当日点と同等に悔やむ要因となりました。