修理代を極限まで抑える最も確実な手段は、自分自身で処置できる傷を見極めてDIY補修を行うことです。しかし、無理なセルフリペアは傷口を広げ、プロへのやり直し依頼で余計な出費を招くリスクも孕んでいます。重要なのは「自分で直せる傷」と「プロに委ねるべき傷」の明確な境界線を知ることです。
判別の黄金ルールは「爪で軽くなぞったときの感触」と「水かけテスト」の2つです。
傷の上に水を吹きかけた瞬間に傷がスッと消えて見えなくなる場合、あるいは爪を滑らせて引っかかりを感じない深さであれば、損傷は表面のクリア塗装層にとどまっています。このレベルであれば、塗装を行う必要はなく、コンパウンド(研磨剤)による磨き作業だけで初心者でも綺麗に消滅させることが可能です。
作業を行う際は、いきなり粗いコンパウンドを使ってはいけません。以下の3ステップがプロも実践するDIYの王道手順です。
ステップ1:洗車と脱脂
傷の周囲に砂やホコリが残ったまま磨くと、ヤスリをかけているのと同じ状態になり傷が増殖します。カーシャンプーで徹底的に洗浄し、シリコンオフ等で油分を取り除きます。
ステップ2:極細目〜超微粒子コンパウンドでの段階研磨
車傷消しコンパウンドおすすめの代表格である「ホルツ」や「SOFT99」の研磨セットを用意します。まずは粒子の細かい「極細目(3ミクロン前後)」を専用スポンジに適量取り、傷と直角に直線的な往復運動で磨きます(円を描くように磨くと磨き傷が乱反射するためNGです)。
ステップ3:超微粒子での鏡面仕上げとコーティング
最後に「液体超微粒子(1ミクロン未満)」で周囲のツヤと馴染ませるように磨き上げ、保護用のワックスやガラス系簡易コーティングを塗布して完了です。
一方、水を含ませても傷が白く残ったままの場合や、爪がカチッと引っかかる傷、あるいは下地の黒や灰色が見えている場合は、すでにカラー層を突き破っています。この深さの傷をコンパウンドで力任せに磨くと、周囲の健康なクリア層まで削り落として取り返しのつかないハゲを作ってしまいます。深い傷に対するDIYは、近似色のタッチアップペンでサビ防止の応急処置を施すにとどめ、本格的な面出しや再塗装は迷わずプロに相談してください。