店頭で異彩を放つ、刀を握りしめてふんどし一丁で構える男性のイラスト。一度見たら忘れられないこのパッケージには、鹿児島に伝わる由緒ある文学的背景が存在します。
モデルとなっているのは、江戸時代後期の薩摩藩士・毛利正直が著した薩摩狂言・戯作『大石兵六夢物語(おおいしひょうろくゆめものがたり)』の主人公・大石兵六(おおいしひょうろく)です。物語の中で兵六は、人々を化かしていた狐退治を思い立ち、吉野山へと向かいます。化け物たちの奇々怪々な試練に遭いながらも、知恵と度胸で立ち向かう薩摩隼人の気骨を描いた名作です。
セイカ食品の創業者・玉川秀紀氏は、鹿児島発の銘菓を作るにあたり、「郷土の誇りと勇気を全国に届けたい」という願いを込め、この英雄の名と物語のワンシーンを意匠として採用しました。昭和レトロの波に乗ったデザインは、いまや単なる古臭い駄菓子ではなく、「昭和モダンの粋を集めたグラフィックアート」としてZ世代や海外のレトロカルチャーファンからも再評価されています。