思えば、昭和から平成初期における「メガネをかけた中年男性芸人」の立ち位置は、今とはまったく異なっていた。「モテない」「冴えない」「ガリ勉風」といった、いわゆる引き立て役やイジられキャラに甘んじることが多かったのは紛れもない事実だ。
事態は一変した。おぎやはぎのような脱力系スタイルが再評価され、シソンヌじろうや男性ブランコといった劇団上がりの緻密な演技派が台頭。メガネはもはやマイナス要素ではない。むしろ「知性と個性を担保する最強のギア」へと昇華したのだ。
2026年の現在、彼らは単なるタレントの枠を超えている。落ち着いた佇まいと絶妙な間の取り方は、観る者に強烈な安心感を与える。毒を吐いても角が立たないのは、目元を覆うフレームがフィルターの役目を果たしているからにほかならない。